的を得ると的を射る

どっちが正しいとかどっちが間違ってるとか言うのはまた別次元の問題としてあるのだろう。
一応より大衆受けするのは「的を射る」のほうのようだ。
が、「的を射る」ではどうしても表現しきれないものが「的を得る」にはこめることができる。
言葉は伝わらなければ意味が無いとも言えなくもないが同時にどのように何を表現したいかもけっこう大事にしたい。
「的を射る」の場合、単純に弓で的を狙って撃ちましたというだけの言葉であるが、「的を得る」といった場合、的までの空間全てを完全に掌握した上ですでに命中することが決定した状態であることを表現できる。奇しくも弓道の極意と一致する。
「的を射る」では中ったのか中ってないのかすら不明だ。「的を射た」でも命中したのかどうかわからない。

そんなわけで拙者は「まあおおむねそれでいいんじゃないの？」ぐらいの言ってみればお世辞で言ってるときには「的を射た表現だね」などと用い、本心から「アナタその意見はすごい本質をついていると思います」という敬意をこめた表現をしたいときには「的を得てるね」と使うことにしようとおもう。
まあもっとも「的を射た」とか使ってまでお世辞を言う機会はほとんどないと思うので実質拙者は「的を得た」しか使わないとおもうが。